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| 教師の“知恵”.netがお届けする教育MM「教師の“知恵”ぶくろ」 2006年1月18日 No166 読者数(4478人) このメールマガジンはオンラインでご覧ください |
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| INDEX |
| 01【理科】 | ◆小学校3年「豆電球に明かりをつけよう」 | |||||
| 02【総合】 | ◆今,世界で 〜私たちと貧困世界〜 | |||||
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| 01.【理科】◆「確かな知」を獲得させる理科授業 -小学校3年「豆電球に明かりをつけよう」の実践を通して- 村中 政文@山口大学教育学部附属光小学校 |
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はじめに ![]() 小学校4年生で、直列つなぎ、並列つなぎを学習するときに、回路を作れない子どもがどの学級にも数名程度いると思います。この原因は何だろうかと考えると、3年生での豆電球に明かりをつける学習が「確かな知」として獲得されていないことが考えられます。 そこで、3年生における回路の概念を確かなものにするために、「ミクロ的な見方」を子どもたちに視点として与えることにより「確かな知」を獲得するための手だてになるのではないかと考え実践しました。 1 授業の実際 (1) 指導計画について(総時数約12時間)
(2)本時の授業について 子どもたちの疑問
そこで、子どもたちに以下のような学習課題を与え追究させていくのです。 〈学習課題〉
〈実験の条件〉
子どもたちは、試行錯誤しながら豆電球に明かりをつける活動をし始めます。中には、ソケットが無いなら作ってしまおうと、ソケットの中身をじっくりと観察する子どももいました。そして、子どもたち全員がソケットなしで豆電球に明かりをつけたことを確認した後、明かりをつける秘密をみんなで確認していきます。 ここで、教師は「ミクロ的な見方」を子どもたちに投げかけるのです。
豆電球の金属部分を熱して取り外した(右 写真)のようなものを提示し、実際に豆電球の中もつながっていることを確認します。また、少しでも輪が切れていると明かりがつかないこともここで押さえます。 2 実践を通して感じたこと 豆電球の内部を見る「ミクロ的な見方」や回路全体を見る「マクロ的な見方」を子どもたちが繰り返すことにより、記憶に残る「確かな知」として獲得できるのではないだろうかと考えて実践しました。 しかし、楽しい活動や実験だけで終わっては、活動自体の記憶しか残らず「確かな知」を獲得するまでには至らなくなってしまいます。 教師が「教えること」と「学ばせること」の区別をしっかりともって「ミクロ的な見方」や「マクロ的な見方」を取り入れることが大事であることを実感しました。 理科教育に限らず、他の教科においても「ミクロ的な見方」を取り入れた実践が可能であるか検証していきたいと思います。 ※ ご意見やご感想をお待ちしております。 muranaka@hikari-es.yamaguchi-u.ac.jp |
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| 02.【総合】◆ 今,世界で 〜私たちと貧困世界 〜 藤倉欣浩@秋田県増田町立増田小学校 |
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| 総合的学習の時間の国際理解の授業です。発展途上国の問題について学習すると決まって「かわいそうだ。」「驚いた。」という感想が出されます。その様な感想からもう一歩深めて欲しいと思って授業をしました。貧困世界で起こっていることが,自分とは関係のないことではないことを知り,自分の生き方を考えて欲しいと思って行った授業を紹介します。 【貧困の鎖について知る】(・は子どもの反応です。) 学校に行きたくてもいけない子ども,働かなくてはならない子ども,ストリートチルドレンは,その後,どうなりますか。 ・ 仕事につけない ・ 勉強が分からない。 教育を受けないから仕事につけませんね。そしてどうなりますか。 ・ お金がない。 ・ 貧しい 貧しいからどうなりますか。 ・ 仕事をしなくてはならない。 仕事をしなくてはならないからどうりますか。 ・ 学校に行けない。 この輪を貧困の鎖といいます。いつまでも貧困から抜け出すことができない悪循環です。 【日本と貧困世界の関わりについて知る】 食べ残し 最初に次のクイズを出しました。 全米( ) の4〜5割がゴミに、損失( ) ドル 「食料」「1千億ドル(10兆7千億円)」が答です。「では,日本はどうなの?」と子どもたちは考えました。そこで,次のクイズを出しました。答は下です。考えてみてください。 私たち日本人の食べ残しは,( )トンです。 損失は( )です。 ![]() 私たち日本人の食べ残しは,(700万)トンです。 損失は(11兆円)です。(農林水産省調べ) 日本人の食べ残しの金額11兆円は,ある金額と同じです。何でしょう。 ・ 水 ・ 電気代 ・ 漁獲高 ・ 米の生産高 日本人の食べ残しの金額は,農家の人や漁師さんたちが生産したすべての物の金額と同じです。農家の人や漁師さんの苦労がすべて捨てられていることになります。日本は1千万トンの食料を外国に援助しています。その一方で輸入もしています。そして食べ残しているのです。食べ残しは世界一です。 この事実に子どもたちは,静かになりました。言葉がないということだったのでしょう。 あなたは肉が好きですか? 突然ですが,肉は好きですか? 手を挙げてもらったら9割の子は好きでした。この質問だけでニコニコする子もいました。それほど好きなのでしょう。 「肉を食べることは,貧しい国の人の食料を奪っていることになる。」どういうことでしょう。 子どもたちは,「そんなことがあるのかな。そんなつもりないよ。」という反応でした。私は,「奪っているんですよ。先生もです。みんなもです。」と言って,ノートに考えを書かせました。 ・ 肉を輸入していると言うことではないか。 ・ 肉を食べさせていないと言うこと。 ・ 貧しい国の分も食べていると言うこと。 ・ 食べ過ぎていると言うこと。 肉ができるまでを見てみましょう。穀物をえさにして牛や豚,鶏に食べさせます。そして,肉にして,私たちが食べています。肉1キロを作るのに8キロの穀物が使われます。日本は穀物のほとんど72%を輸入しています。 世界の人口は63億人です。世界の穀物生産量は1年間で20億トンです。 十分な量でしょうか。それとも,足りないでしょうか。 足りないという子が7割でした。飢餓や食料不足の勉強をしてきたので,世界では穀物が足りないと考える子が多くいたのでしょう。 10億トンの穀物で63億人の人が十分食べられます。つまり,世界には必要な量の2倍の穀物があることになります。なぜ,飢餓や貧困,5歳未満の子どもの死亡があるのでしょう。 食料を独り占めにする先進国 10億トンの穀物で63億人の人が十分食べられます。つまり,世界には必要な量の2倍の穀物があることになります。なぜ,飢餓や貧困,5歳未満の子どもの死亡があるのでしょう。 豊かな国(先進国)は,貧しい国(発展途上国)の4倍も穀物を消費しています。肉を食べたり,食べ残したりして消費しています。 日本は世界の2割の穀物を輸入している世界1の穀物輸入国なのです。 下の表を見てください。何が分かりますか。
子どもたちは,先進国が肉を食べて穀物を多く消費していること,そして,貧しい国の分も消費していることを読みとりました。ここで日本も貧しい国の食料を奪っていることに気付きました。一昔前までは,贅沢だった肉が,当たり前のように食卓に上るようになった日本。そんな日本に子どもたちは生まれ育っています。気付かないのもムリのないことです。
【過ぎていることと私たち】 ![]() 過ぎていることはまだあります。水です。世界の80%の人は1日30リットルの水で過ごしています。トイレの水を3回流したのと同じ量です。日本人はその70倍,2000リットルです。(食べ物も含めて)独り占めしているようなものです。 グラフを見てください。石油やガス,電気などのエネルギーもそうです。先進国が使いすぎて,貧しい国の分まで使っていることがわかるでしょう。 こう話して,写真を見せました。「きれいにするために身につけるダイヤモンドは貧しい国の人たちが掘っています。」 「輸入してまで食べ残し,食べ過ぎてダイエットしている日本人。」 「働きたくても仕事がない貧しい国の人,仕事があっても働かないニート」のことを話しました。 この写真は南アフリカのある家族の写真です。家の中にあるものをすべて外に出した写真です。どう思いますか。 ※ 写真の出典 「世界の家族G南アフリカ〜アパルトヘイトを乗り越えて」 (すずき出版) ・ 日本家の半分以下だ。・ 必要なものしかない。 ・ よけいなものがない。 この後,授業で考えたことをノートに書いてもらいました。 貧しい国の人たちを,かわいそうと思ってしまうのではなく,自分たちにも関わりがあることを考えてほしいと思って行った授業でした。「100円ショップで買った物を使い捨てにする日本人と貧しい国の人たち,どちらがかわいそうなのでしょうね。」と話して,授業を終えました。 【子どもの感想】 今日の「今,世界で」の勉強をして,「日本や日本人はダメだな。」と思いました。私たちは貧しい国の人を「かわいそうだな。」などと言っています。しかし,私たち日本人は,そんなことは言えないと思いました。これからは,ご飯とかを残さないようにしたいです。そして,貧しい国で困っている人を助けられるようになりたいです。 |
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