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2006年2月1日 No168
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INDEX
連載 使える授業ベーッシク
  【国語】 真剣に読む・聞く  〜音読対話の方法〜
  白石範孝@筑波大学附属小学校
01【社会】 学習中の「話し方」を子供たちのものに   《動画付き》
  山邊文洋@山口大学教育学部附属山口小学校
         
02【案内】 ◆KOGANEI授業セミナー

    
連載スタート!
 使える授業ベーシック   No.001
『使える授業ベーシック研究会』発足にあたって
 どうしたら、子どもたちが生き生きと取り組む授業、子どもたちに確かに力がついたと実感できる授業をすることができるのでしょうか。そのような授業は、学力に対する捉え方や考え方、指導法、発問や板書といった授業技術などのベースがしっかりしています。 そこで、「基礎・基本を育てる指導」「実践に裏付けられた指導」「学級経営を支える指導」といった授業の基本理念を『使える授業ベーシック』と名付け授業の研究会を発足しました。

 全ての教科・領域の実践を通して、『使える授業ベーシック』を追求し、明日の授業を少しでも向上させるために、教室ですぐに使えるアイディアや工夫をより多く開発していきます。

 私たちとともに、「授業」の腕と、「授業者」としての心を磨きませんか。クラスの子どもたちの目が輝くような、そして授業者自身も手応えが感じられるような「授業」を目指して、一人でも多くの仲間が増えることを願っています。

平成18年1月
                        使える授業ベーシック研究会
【国語】◆真剣に読む・聞く    〜音読対話の方法〜
      白石範孝@筑波大学附属小学校 
 「音読対話」という言葉は、あまり耳にしたことのない言葉でしょう。この活動は、読む側も聞く側も相手を意識して行う活動です。そして、二人で読み合い、聞き合うことによって、言葉を正確に音読し、書かれている内容を正しくとらえることにつながります。

 二人の対話は、音読を中心とした話題となり、その対話からは、正確な読みが生まれることとなります。さらに、相手の読みを聞くことで、自分の読みをも見直すことのできる「音読対話」を楽しく取り組んでみてください。

 授業の中で全員の子どもが、正確に文章を読めるようにと願って、私たちは日々さまざまな活動をさせています。しかし、子ども一人一人が正確に文章を読んでいるかを確認するのは容易なことではありません。子どもたち同士で読み合う活動も読む側は真剣になるのですが、聞く側は真剣さが見られなかったりします。

 子ども一人一人が、真剣に文章に立ち向かい読んでいくことを目指すと共に、友だちの読みを真剣に聞けるようにしたいと考えて「音読対話」の活動を考えてみました。

 音読対話は二人組で読んだり、相手の読みを聞いたりする二人組を基盤とする活動です。大まかな活動の流れは次のようになります。
(1) 二人組をつくる
・基本は二人組であるが、人数の関係で3人になってもいい。
  
(2) 教科書を交換し役割をきめる
・二人で相談して、読み手と聞き手に分かれる。
  
(3) 第1回戦開始
・読み手は、聞き手の教科書をもとにして題名から、最後まで続けて読んでいく。
・聞き手は、読み手の教科書を見ながら、鉛筆をもって間違ったところに線を引きながら聞く。
・終わったら、読み手と聞き手を交代して同じ活動をする。
  
(4) 間違ったところを練習する
・個人での練習とする。
  
(5) 第2回戦開始
・1回戦と同じ活動をする。
  

 文章を正しく声に出して読めるようにすることは、文章の中で表現されている内容を正確に読むことにつながります。そのためにも、「音読対話」によって、正しく文章を読めるようにしたいものです。

 相手を意識し、音読すること、聞くことは、自分の音読を向上させると共に文章の内容の読みをも高めていきます。

 「音読対話」によって、声に出して読むこと、聞くことを楽しんでみてください。 

【参考】 学研「伝え合う力を育む」音声言語活動シリーズ
        DVD  「楽しく正確に読む力を育てる  音読対話」

    
01.【社会】◆学習中の「話し方」を子供たちのものに
         山邊文洋@山口大学教育学部附属山口小学校

 私なりの視点で指摘する授業作りのポイント「子供自らが学んでいく学習」を目指して実践したことを紹介します。明日からの授業作りに生かしていただけたらうれしいです。
 
 昨今「コミュニケーション力の育成」というスローガンのもと、スキルトレーニングに取り組む様子がさまざまなところで報告されます。しかし、コミュニケーションというのは、単に話し方を訓練するということだけでなく、人と人をつなぐ言葉を、子供の心にしみこむように育成しなければならないと思うのです。それこそが、きっと、言葉の持っている本来の力を回復していく営みとなるのではないかと思うのです。

 そこで、つたない自分の実践のもと、今回お示しするのは、
 学習中の話し方を子供たちのものにしていこう
ということです。

 まずは、昨年12月社会科の授業の様子をご覧ください。

 3年生 社会科「追究!ういろうにこめられた思い」という単元です。子供たちがおいしいういろう作りの秘密として取り上げた、「手作りでつくる」ことと「機械で作ること」の意味について話し合っていったものです。特に子供たちの話し言葉に注目してください。

 写真をクリックすると、ビデオを見ることができます。(左右の動画が異なります)
5MB  1分56秒 5MB 2分11秒


授業の中で子供たちは、「でも」「それに」「どうですか」「〜って何ですか」「・・・ありましたよね」という言葉を使いながら話しています。あたかも先生なんて関係ない様子です。このような話し言葉は、3年生の初めから子供と共に作り上げていったといってよいと思っています。

 どのような考えでも温かく聞き合える学級の雰囲気作りを進める一方で、必ず指導しなければならないことは、「話し方の指導」です。話せない原因のひとつに「どう話してよいのかわからない」ということがあげられるからです。
 教師によっては、話の終わりには「・・・です」「・・・ます」をつけるとか、意見の種類によってハンドサインを出すなどをするようにしている方もありますが、話し方とはそういう形式的なことではなく、内容をいかに豊かにさせるかという問題を大事にすべきだと思っています。
 そこで、ビデオのような話し方になっていくように毎日のように指導してきたことをあげましょう。
 大きくは三つあります。

1つ目は
■ 発表は、先生にだけ対してするものではない。
自分は、こう思うのだけど、みんなはどうだろうと、学級全体に対してするものである、だから学級のみんなの方を向いてすると良い。
 ということ。 

 子供たちの言葉が少ないと、つい教師の言葉が多くなります。教師が多弁になると、子供たちはさらに口を閉ざします。だからこそ、このような言葉を子供に投げかけ、私自身が留意したことは、なるべく私の言葉を少なくして、子供同士のかかわりを増やそうとしました。子供たちに話しをさせるそのときどきに、具体的に話し方の指導をしていきました。
例えば、話し合いのときに、全員がわかっていないような少し難しいような言葉が出てくることがあります。そんなときに
「みなさん、○○さんが言った、△△ってわかりますか。」・・・「うーん」
「わからないことをそのまま通りすごしてはいけませんよね。それは、わかったふりですね。そんなときは、どうする?そうだね、聞いてみたらいいね。△△って何?って」
こんなことを具体的に指導していくと、言葉を大事にしていくようになっていきます。また、国語辞典などの辞書もどんどん使うようになっていきます。そんな姿を次々にほめていきました。

2つ目は、
■ 調べて書いてあった文のおうむ返しや、一言発言にならないようにしよう。
なるべく自分の考えたことを、自分の言葉で言うようにするとよい。


ということ。

 学ぶことは、究極的には自分とのかかわりとつくることです。たとえ、調べて書いてあったことや教科書に書いてあったことでも、自分の言葉で語ることが大事です。特に「〜にこう書いてありました。ぼくも○○のようなことがあって・・・」と自分の経験と絡めて話しているときに、ぜひ思いっきりほめてあげたいものです。そのような経験が出てくると、その言葉は生き生きしてきます。そして、ほかの子供たちも意見をつなぎやすくなっていくのです。

 例えば、「おいしいういろう作りの秘密は?」と聞かれて、
『「一生懸命つくってるから」よりも「あずきからあんを作って、わらび粉と混ぜて、砂糖と混ぜて、それを型にいれて蒸すまで、すべて手作業でやっています。そうやって一生懸命つくっているからだと思います」のほうが、とってもわかりやすいし、イメージが湧くよね』という具合にです。


3つ目は、
■ 友達の発言との関連を考えて発言できるようにしよう。
友達と全く同じならば言わなくてもよいが、少し感じが違うようなら、どこがよく似ているのか、どこが違うかをはっきりさせて言うようにさせる。また、友達の言ったことをもっと膨らませたり、補ったりすることも好ましいことを伝えていく。
と、いうこと。

 ビデオの中でたくさん出てくる言葉「でも」「それに」「○○さんにでも」などは、子供たちが話し合いの中で出てきた言葉を取り上げて「そんな風に“でも”って言葉を使うとどんなことがいいたいのかがわかるね。それに自分の伝えたい気持ちにも勢いも出てくるね」とほめてあげたりします。
すると、子供たちはそのような接続語をさまざま使いだして、手を上げたりします。特に話し合いの時には、対立するような意見が出ると大変意味あるものになることが多いものです。ですから、「でも」がたくさん出るような話し合いの後に、「今日はたくさんの『でも』がでて、こんな風に内容が深まったよ。『でも』って大切だね」と価値付けたりするのです。そのようなことを繰り返すと、反対意見、対立点が出ることのよさを実感し、さらには、「その考えと少し違うことはないかな」と複眼的に考えるようになっていきます。
 
 私が特に強調したいことは、本当の話す力は、ただ「たくさんの意見を言おう」とか「詳しく話そう」というようなスローガンを掲げるのではなく、これらのことを、授業の具体的な場面で指導してこそ、身についていくのではないかということです。
 1つの型を教え込むだけでなく、学習の内容とかかわって話し方を教えていかなければならない。そういうことからも、授業中の子供の発言を取り上げた指導が大切だと思っています。

最後に、コマーシャルです。
●山口大学教育学部附属山口小学校 社会科の部屋(編集:山邊文洋)
http://www.ymg-es.yamaguchi-u.ac.jp/yamasyo-top/kennkyuu/kyouka/shakai/shakaitop.htm
    
  
02.【案内】◆KOGANEI授業セミナー
         東京学芸大学附属小金井小学校   
  
KOGANEI授業セミナー
    
テーマ「学力育成のポイントはこれだ!」について、各教科等の公開授業・協議会10本、一流講師による講演10本の中から選んで学ぶことができます。多数のご参加をお待ち申し上げます。

◎日時 2006年2月3日(金)12:30―16:30

◎会場 東京学芸大学附属小金井小学校

◎日程(全て部会別に行います)
・12:30―13:30 受付
・13:30―14:15 提案授業
・14:30―15:30 授業協議会
・15:30―-16:30 講演

◎講師
・内田 伸子 先生(お茶の水女子大学副学長)「国語科(A)部会」
・野口 芳宏 先生(日本教育技術学会名誉会長)「国語科(B)部会」
・立木 正 先生(東京学芸大学教授)「体育科(A)部会」
・松本格之祐 先生(びわこ成蹊スポーツ大学教授)「体育科(B)部会」
・日置 光久 先生(文部科学省教科調査官)「理科部会」
・村山 哲哉 先生(東京都杉並区八成小学校副校長)「理科部会」
・藤井 千春 先生(早稲田大学教授)「社会科部会」
・福地 昭輝 先生(東京学芸大学教授)「生活科部会」
・中村 雅子 先生(東京都町田市立鶴川第二小学校長)「家庭科部会」
・廣瀬 久 先生(元全国小学校道徳研究会長)「道徳部会」
・藤井 斉亮 先生(東京学芸大学教授)「算数科部会」

◎詳細 本校HP「http://www.u-gakugei.ac.jp/~kanesyo/」をご参照ください。 
    
  
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