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2006年2月15日 No170
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INDEX
01【算数】 ◆12段目は何本?(比例)
  尾崎正彦@新潟市立浜浦小学校  

02【国語】 名脚本家を目指そう!(2)
  〜『ト書きの技』で表現の工夫を〜(4年生)
  村田和昌@山口県宇部市立見初小学校


03【国語】 連載 使える授業ベーシック
漢字先生になろう
 
青山由紀@筑波大学附属小学校

01.【算数】◆12段目は何本?(比例)
         尾崎正彦@新潟市立浜浦小学校

 6年生の「比例」の学習の,導入場面で活用できる授業を紹介します。

[準備物]
・正六角形数個(パターンブロックがあると簡単です)

 黒板に,正六角形のパターンブロックを1つ提示します。そして,次のように尋ねます。

 この正六角形の周りの辺の数は何本ですか?

 これは簡単です。「6本」と,すぐに声があがります。
 次に,この正六角形をピラミッド状に2段目まで重ねます。重ねた様子を,5秒ほど見せ,すぐに隠します。そして,次のように尋ねます。

正六角形を2段に重ねました。周りの長さは何本になったと思いますか?

 先ずは,直感で予想本数を聞きます。「12本」と考える子どももいましたが,「もっと多くなる」と考える子どももいました。子どもたちの予想は,分かれました。

 そこで,本当は何本になるのかを調べます。「12本」になることが分かります。ここまでくると,子供たちから自然に声があがってきます。
「分かった。次は18本だ」
「だって,・・・・」
と,3段目の本数を予想する声があがってきました。また,3段目が18本になる理由も,自由に話し始めます。1段目と2段目の結果をもとに,3段目を予想する声です。ここまでくれば,子供たちにとって3段目を予想することは簡単です。そこで,次のように投げ掛けました。

六角形が12段になったら,周りの辺の数は何本になるかな?

 更に,次の指示を付け加えました。

 12段目の周りの数を,5年生にも分かるように説明をノートに書いてみま
しょう。


 子供たちに,10分の時間を与えました。5年生にも分かる説明を書くのです。自分だけが分かる説明では,だめなのです。このような条件を指定することで,子供たちは必死に考えます。必死に考える経験を多く積み重ねることで,子供の考える力や書く力は高まっていくと考えています。

 子どもたちは,いくつかの方法を使って,12段目の周りの数を調べました。

(1)実際に図をかく
 地道に六角形を12段目までかいて,調べました。図形が六角形であるため,随分と苦労をしました。
 この方法については,
「いちいち12段かくのは大変すぎる」
「もっと,簡単な方法があるよ」
と声があがりました。それが,(2)以降の方法です。

(2)表を使う(決まり活用)
 最も多くの子どもが使った方法です。表から決まりを見付け,12段目の周りの本数を一気に見付ける方法です。しかし,表から見付けた決まりが子どもにより異なります。
 

(ア)段数が1段増えると,周りの数は6本増える。この決まりを使い,12段目まで,順に6本ずつ足していく。
    6+6+6+・・・+6=72本。

(イ)1段の時に6本。2段の時に12本。3段の時に18本。ここから,6本に  段数をかければ周りの数が出てくることが分かる。12段目は,この決まり  を使って,計算で求める。
    6×12=72本。

 (イ)は,「比例」の考え方です。一方が2倍・3倍になると,片方も2倍・3倍になるという増え方です。

(3)数直線を使って求める

 分数のかけ算・割り算などで身に付けた数直線を活用する。数直線から,上記(2)(イ)と同じ決まりが見えてきます。

 表や数直線から,子どもたちは「比例」の決まりを見付けていきました。

 この決まりが見つかれば,自然に子どもたちから,新しい問題が生まれてきます。
「だったら,13段目も分かるね」
「13段目は,6×13段で出せるね」
「だったら,14段も,15段も出せるね」
 次々と,新しい問題場面が生まれてきます。

 六角形を積み重ねると周りの長さはどうなるかという子どもたちを惑わせる課題から,比例の見方を引き出すことができた授業でした。
    
  
02.【国語】◆名脚本家を目指そう!(2)
        〜『ト書きの技』で表現の工夫を〜(4年生)
      村田和昌@山口県宇部市立見初小学校   


*前回は、ト書きを知る活動までお話しましたが、今回は使う活動からです。

3 『ト書きの技』を使う
 『ト書きの技』をまとめた上で、次のような場面で、次のようなセリフだったら、みなさんはどのような『ト書き』を入れますか。という発問を出します。ここで重要なのは『場面設定』『登場人物』『台詞』をもう一度教師が設定することです。子どもたちは、決められた条件の中で『ト書き』つまり、人物の動きのみを考えることに専念でき、自然と効果的な表現の工夫につながっていきます。

問題1
「場所」グランド 「季節」冬 「時刻」昼食後 「天気」雪
セリフ 「なにしてるんだ?」「いっしょにやる?」「おう、やるやる。」

一郎 「何してるんだ。」
と、一郎は大きな声で言った。
花子 「いっしょにやる?」
と、花子は白い息を出しながら言った。
一郎 「おお、やるやる。」
と、一郎はうれしそうに言った。

 
問題2
「場所」グランド 「季節」冬 「時刻」昼食後 「天気」雪
セリフ

一郎 「待った?」
と、汗をかきながら、こまり顔で一郎が言った。
花子 「うん、少しだけ。」
と、花子は言っているが、実はこんな冬の雪が積もっている中、待たせておいて、それに一時間以上待っていた。だから、ちょっとおこり顔で花子は言った。
一郎 「みんなのところにいこうか?」
と、花子の気持ちも知らずに、一郎は平気でふつうの表情で言った。

 
『ト書きの技』が使いやすくなったのか、自由に書き始めています。また、黒板にまとめられた言葉をさっそく使い始める子どもも多くいます。

4 自分だけの台本を作る

最後に発展学習として、一からの『台本』作りにチャレンジします。ただし次の二つの条件を子どもたちに提示します。

1 場面の設定について
「場所」「季節」「時刻」「天気」を自分で設定すること

2 セリフについて
登場人物は2人、セリフの数は合わせて三つまでとすること

 
 
この活動は大変難しいらしく、多くの子どもが筆が進まず困っていました。困っている子どもに対しては、『場面設定』『台詞』等を教師がもう一度断片的に設定、提示していくことで、『台本』の制作に取り組めるようになります。以下は一から『台本』を作ることが出来た子どもの作品です。

例1 「場所」学校のとなりの道 「季節」夏 「時刻」午後四時半 「天気」大雨
一郎 「おい、だいじょうぶか。」
と、かさもささずに走っていた花子を、一郎はかさの中にひっぱって入れた。
花子 「かさがないの。」
と、花子がふるえながら、買い物ぶくろについていた水をはらいながら言った、どうやら花子は、家にかさをわすれたらしい。
一郎 「ないならいっしょに帰ろうぜ。」
と、一郎は花子をひっぱりながら帰り始めた。

例2 「場所」もみじの木の下 「季節」秋 「時刻」正午 「天気」晴れ
一郎 「きれいだなあー。」
と、一郎はもみじを見ながらシートの上にすわり、弁当のおにぎりを右手でもらい、お茶を左手で持ちながら、ひとり言のように花子に静かに言った。何となく顔が楽しそうに言った。
花子 「秋らしさが出るわねー。」
と花子は、一郎の言葉にこくりとうなずいて、十秒ぐらいたってから言った。花子も楽しそうに言った。そして、もみじを見た。
一郎 「二人でもみじ見るのもいいなあ。晴れて良かったな。」
と一郎は、うれしそうにはっきりしたやさしそうな声で、花子に言った。そのあと一郎は、持っていたおにぎりを一口食べて、お茶を一気にのみほした。

例3 「場所」学校 「季節」春  「時刻」一時間目 「天気」晴れ
一郎 「花子!」
と、一郎は、お兄ちゃんらしく優しい声でよびかけた。今日は四才年下の、自まんできるほどかわいい妹の入学式なのだ。
花子 「一郎兄ちゃん。」
と、花子は初めての学校できんちょうしながらも、心の中で「お兄ちゃんがいるから大丈夫、大丈夫。」と思いながら笑顔で答えた。
一郎 「花子、大丈夫だぜ。花子にはおれがついているぞ。」
と、一郎は言った。一郎には、妹がきんちょうしているのが伝わってきた。花子は一回、右目でウィンクをして、門をくぐっていった。
 
『ト書き』に注目して書く活動を進めましたが、『ト書き』を書くということは人物の動きを想像するという思考活動でもあります。そのように考えれば、『ト書き』は『行間を読む』ということにもつながるのではないでしょうか。書く活動と読む活動を関連づけて、文学教材の読み取りにも『ト書き』の可能性を感じます。また書く活動に限れば、子どもたちが『役者さん』の動きを想像して『ト書き』を書くことで、自然と読み手を意識した文章にもなります。

 そんな一方で子どもたちは、『ト書きの技』をみがいていけばテレビドラマのような台本がきっと書けるようになって、『名脚本家』への道が開けるはず、と楽しんでいることと思います。
    
  
連載スタート!
 使える授業ベーシック    No.003
【国語】◆◆「漢字先生」になろう 〜常時活動を活性化する〜
        青山由紀@筑波大学附属小学校  
マンネリ化しやすい新出漢字の学習も、子ども主体にすると変わります。漢字はもちろん、話す聞く力、やり取りする力、語いの拡充など、総合的にことばの力をつけることができる「漢字先生」をご紹介します。
〔漢字先生とは〕
 子どもが「先生」となって新出漢字を友だちに教える活動です。指導者は口を出さないと 宣言しておきます。「先生」が誤ったことを教えると、学級全員がそれを覚えてしまいます。「先生」が責任をもって教えなければならない状況を作ることが、この活動のポイントです。

 事前に、辞典で読み方や使い方、熟語の意味などをしっかり調べておくことや、分かりやすく明瞭に説明することが要求されます。辞典の引き方を学習する中学年が適していますが、2年生でも十分実践できました。
(意味や用例全てにルビのついた光村教育図書の国語辞典を使用)

〔この活動でつけられる力〕
・漢字の字形や意味、使い方(熟語)、筆順、成り立ちに興味をもつ。
・辞典の引き方に慣れ、活用する力。
・聞き手を意識し、教室全体に聞こえる声の大きさや適切な速さで話す力。
・聞き手が分かりやすいように話の組み立てを考え、項目立てて話す力。
・制限時間の中で必要十分な内容の話をする力。
・質問を想定して調べておく力。
・質問したり、質問を受けて答えたりといった、やり取りをする力。

〔活動の流れ〕
1,準備
●一人1文字ずつ担当する漢字を決め、国語辞典や漢和辞典を使って調べ ます。
●持ち時間を決めます。
(質問や空書きする時間も含め、3分から5分が適当)
●説明する内容は次の5項目を基本とします。
 1読み方(音読み・訓読み)
 2使い方・熟語(意味も言えるようにしておく)
 3筆順 
 4画数
 5字形で注意しなければならないところ
 中学年以上では、部首は加えたいものです。制限時間の中であれば、覚 え方、 似た字形の漢字、成り立ちなど付録の説明は「先生」に任せるこ とにしました。
●説明に使う掲示物を準備します。(模造紙を3,4等分したものを使用)
    
2,モデルの提示
 指導者が掲示用の紙を使いながら新出漢字を教え、見本を示します。それをもとに、家で必ずリハーサルをしてくることも約束しました。
     
3,「漢字先生」本番
「私は『場』という字を教えます。音読みはジョウで、訓読みは…」と、緊張しながら一生懸命説明する友だちを、聞き手も真剣に見つめます。普段、声の小さい子どもまでが教室中に行き渡る声で説明します。しかも、聞き手が自分の方をきちんと見ているかを確認しながら。「自分は先生なんだ」という気持ちが子どもを成長させます。終わった後は、ほとんどの子どもが「緊張したけど楽しかった。もう一度やりたい」と言います。

 回を重ねる毎に、友だちの「先生」の良いところを取り入れ、発表が進化していきました。これは、漢字に関する内容を聞き取るだけでなく、「自分が先生になったら」という発表者としての目でも聞いていたことがわかります。
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