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| 教師の“知恵”.netがお届けする教育MM「教師の“知恵”ぶくろ」 2006年3月1日 No172 読者数(4599人) このメールマガジンはオンラインでご覧ください |
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| 01.【道徳】◆失敗体験から自分を見つめる道徳授業 河内啓次@山口大学教育学部附属光小学校 |
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| 1 子どもの失敗体験に注目する 道徳授業についての情報交換で,次のようなことを聞くことがあります。 「学年が上がるにつれて,子どもの本音が聞かれなくなってしまう」,「小学校高学年から中学生になると,教師の期待するようなことを話すようになり,おもしろみがなくなってしまう」など。 このような話を聞きながら,教師も子どももねらいとする道徳的価値に迫る方向ばかりを意識して,「頭の中だけの道徳授業」になってしまっているのではないかと,私は反省しているところです。 そこで,今回は,次のような「失敗体験を聞き合う活動」を取り入れた道徳授業の提案をしたいと思います。
2 実際の授業で(小学校2年) ★主題名 笑顔になれたのはなぜ? 2—(3)信頼・友情 ★資料名 「なかなおり」(大阪書籍副読本) ★ねらい 登場人物になりきって相手の気持ちを考えたり,自分の失敗体験を振り返ったりすることにより,友達を大切にしたいと思っている自分に気づくことができる。 ★資料のあらすじ さるのもんたとぶたのぶうきちは,とてもなかよしですが,この前,給食のときに,大げんかをしてしまいました。もんたがおどけた顔をして見せたので,ぶうきちは思わずミルクを吹き出してしまったのです。そして,そのミルクがもんたにかかってしまいました。 「きたないな。ミルクなんかかけて。」 「だって,きみが急に笑わすからじゃないか。」 二人は,大声で言い争いをしました。 いつもは,なかよしの二人でしたが,その日は,昼休みも学校からの帰りも離れていました。 ぶうきちは,もんたとなかよく遊んだことや,優しく助けてもらったことを思い出し,なかなおりしたいと思いました。でも,自分からは,言い出せません。 次の日の朝,学校へ行こうとしたとき,もんたがさそいに来ました。 「この前はごめん。ぼくが急に笑わしたのが悪かったよ。」 「いいんだよ。ぼくもきみにミルクをかけたのだから。」 二人は,顔を見合わせてにっこりしました。 もんたとぶうきちになりきる場を設定する どの子も,この資料のように友達となかなおりしたいと思うようなことを体験しており,登場人物の行為についてとらえることはできるだろうと考えました。そこで,子どもたちが,登場人物になりきる場を二つ設定しました。 (1)二人で言い争ってる場面での,「もんたの言い分」と「ぶうき ちの言い分」
(2)二人が離れているときの「もんたの思い」と「ぶうきちの思い」
*(1)の場面・・・「相手が悪いからいけないんだ」 *(2)の場面・・・「このままじゃいやだな」 というような気持ちです。 このような気持ちは,どの子にも,きっと体験したことがあることでしょう。 失敗体験を聞き合う場を設定する ここで,次のような問いかけをしました。
子どもたちは,「(1)の場面のようなこともあるし,(2)の場面のようなこともあるよ」,「もんたのようなことも,ぶうきちのようなこともあるよ」と答えました。このような子どもたちの反応をとらえ,ここで,「失敗体験を聞き合う活動」を設定することにしました。 ☆「失敗体験を聞き合う活動」を設定する際のポイント ○だれにでも,同様な失敗体験があるということを確かめておく (だれもが安心して紹介することができるようにするための配慮) ○友達の紹介してくれたことを,自分の体験と比べながら共感的に受 け止めるような雰囲気をつくる ○子どもたちが,友達の紹介してくれたことに質問する場を確保する 子どもの中には,自分の揺れ動く気持ちを含めて発表する子もいました。教師の出る場面は,こういうところです。子どもの揺れ動いている気持ちを全体に明らかにし,価値づけていくことが大切です。 (1)の場面の例 子ども:「私も,自分が悪かったなあと思う気持ちも少しはあるけど, 相手が文句を言ってくるから,言い合ってしまったことがあ ります」 教 師:「自分が悪かったなあと思うところは,どういうところだっ たのですか」 (2)の場面の例 子ども:「ぼくも,ひとりぼっちでいたときはとてもさみしかったん だけど,自分からあやまっても許してもらえるかどうか心配 でした」 教 師:「相手の友達は,どんな気持ちだったと思いますか」 失敗体験をもとに,自分の在り方を探る 友達が紹介するのを聞きながら,次のようなことをつぶやく子どもがいました。 ○「自分が,自分がとみんなが思ってしまうと,なかなおりをするこ とが,すごく難しくなってしまうんじゃないかな。でも,かっと なったときに,相手のことを思うことは,なかなかできないね」 ○「もっと早く“ごめんね”と言っておけば,“いいよ”という言葉 もとても言いやすくなるんだけど,なかなか自分から声を出すの は,勇気がいると思うよ」 自分の弱さにもしっかりと目を向けることにより,登場人物と自分とのつながりを客観的にとらえることができ,小学校2年生なりに,これからの自分の在り方を考えていくことができました。 3 今後の課題…子どもの心をひらく道徳授業をめざして 本校は,山口大学教育学部附属光中学校と小中連携研究を進めています。道徳部においても,小中の教員が,小中9年間のスパンで子どもの心の育ちをとらえながら,道徳授業づくりを進めているところです。 そこで,次のようなことが話題になっています。 ◎子どもたちの心の内面を教師がしっかりとつかんで,道徳授業を構 想していくことが大切だということ ◎子どもたちが自分事として道徳的価値とのつながりを探っていく場 を工夫して設定すること 自分の心に目を向けるとともに,よりよい自分の姿を思い描いていくことができるような授業づくりをめざしていきたいと思います。 |
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| 02.【生活】◆こうすれば知的な気付きを深められる! 池田由美@熊本大学附属小学校 |
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活動の中で子どもにはたくさんの知的な気付きが生まれます。ではどうすれば知的な気付きを深め、新しい活動へつなぐことができるのでしょうか。2年生「郵便局をひらこう」の実践を紹介します。
まず、クラスの中で4つの郵便局を開く活動をします。自分たちの郵便局が一番いいサービスをしようと子どもたちは張り切って郵便局作りに取り組みます。まさに郵政民営化の先取りと言えるでしょう。 活動の中で教師は知的な気付きを価値付けていくわけですが、活動の中だけですべての子どもの知的な気付きを把握するのは難しいことですよね。そこで授業の終わりに「気付きカード」を書かせるようにしました。その時間の一番の驚きや発見、不思議などを名刺大のカードに書かせ掲示するのです。こうすれば教師が子どもの知的な気付きを把握できるだけではなく、子どもにも友達の知的な気付きを広めることができるのです。それだけではなく、どのタイミングでかかわり合わせると互いの知的な気付きを深めることができるのかが見えてくるのです。 このようにして把握した知的な気付きの中で是非かかわらせたいものがありました。それは次のような知的な気付きです。
たくさん作ることの大変さを実感したA君は合理的な考え方に気付いています。Bさんはお客の立場を考え、手作りという希少さに価値を見いだしています。
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