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2006年3月8日 No173
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INDEX
01【算数】 新幹線ひかり号VSのぞみ号(比例のグラフ)
  尾崎正彦@新潟市立浜浦小学校

02【国語】 連載 使える授業ベーシック
単元「賢治の童話をスピーチしよう」
 
田島亮一@稲城市立稲城第七小学校

03【案内】 第3回 使える授業ベーシックセミナー

01.【算数】◆新幹線ひかり号VSのぞみ号(比例のグラフ)
   尾崎正彦@新潟市立浜浦小学校      

 6年生の「比例」のグラフを活用する導入場面の授業を紹介します。
 教科書の「比例」の学習では,突然,グラフが登場します。子どもにとっては,グラフを使う必要感もないままに,グラフをかかされます。ここでは,子どもが「グラフを使うと便利だな」と自らが感じるような授業を構成しました。

[準備物] ・グラフ用紙(人数分)

 新潟と東京を結ぶ上越新幹線には,とき号が走っています。そのとき号の中に,先発のとき号を途中で追い抜く新幹線があります。
 これは,東海道・山陽新幹線でも当てはまります。東海道・山陽新幹線には,「ひかり」「のぞみ」の新幹線が走っています。この新幹線を使って,算数の時間に問題を出しました。
ひかり号が,時速190kmで東京から博多へ向かって出発しました。1時間後,のぞみ号が時速240kmで博多へ出発しました。のぞみ号は,ひかり号に追いつくでしょうか?追いつくとしたら,それは何時間何分後でしょうか?

 これまで子どもたちが学習してきた「比例」の問題での対象は,1種類でした。今回は,ひかりとのぞみの2種類です。しかも,時間差があります。そのため,子どもたちは,この問題に立ち向かう当初は,どのようにすれば問題を解決できるのか分からずに苦労をしていました。
 そこで,
先ず,何から始めたら解決できそうかな?
と尋ねてみました。子どもたちからは,
「ひかりとのぞみの表をかいてみる」
「数直線でもいいかもしれない・・・」
と,声があがってきました。いずれの方法も,これまで対象が1種類の時に活用してきたものです。そこで,それぞれの方法で試してみることにしました。

 表の場合は,右のような表ができます。
 この表から,5時間後には,のぞみ号がひかり号を追い抜いていることが分かります。しかし,
「でも,問題は何時間何分後に追い抜くだから,これだとだめだ ・・・」
「だったら,表の時間を10分毎に細かくすればいいんじゃない」
と,声があがってきます。それと同時に,
「面倒だなあ・・・」
という声も聞こえきます。これまで,1時間毎に作っていた表を10分刻みにすれば,追いつく瞬間を見つけることができそうです。しかし,そのための表作りには時間がかかりそうです。
 そこで,次のように尋ねました。
他に,簡単に何時間何分後かを調べる方法はあるかな?

「数直線を使う」「図をかく」「折れ線グラフをかく」などの考えが生まれました。しかし,どの方法も子どもたちは「何となくできるかな?」と考えているだけで,明確な解決方法が見えているわけではありませんでした。

そこで,先ずは全員で,10分刻みの表を作ってみることにしました。
下の様な表が完成しました。これを見ると,4時間50分後に追い付くことが見えます。しかし,ひかりの速度は概数で計算しています。実際は,4時間50分よりも少し早い時間に追い付くのです。子供たちも,その概数であることに気付き,次のように発言します。
「だったら今度は,1分刻 みの表を作ればわかるよ」
と,声があがってきます。そうなると,もう大変です。10分刻みの表作りにも随分と苦労をしたのです。それが1分刻みとなったら・・・・。

 表の大変さを味わった子供から,
「それなら,グラフだとうまくいくかも・・・」
と,声があがってきました。
 そこで,グラフを作ることにしました。右のようなグラフができました。
 グラフを見ると,追いつく瞬間が見えてきます。ひかり号とのぞみ号の2本の直線の交わった所が,追い付いた瞬間となります。従って,グラフから追い付いた時間が,4時間48分後頃ということが見えてきます。
 グラフが完成した子供からは,
「グラフは簡単」
「すぐに分かるね」
などの声があがってきました。グラフの良さを感じた声です。

 次は,グラフと表を対比した子供たちのノートです。
グラフのいいところは,だれでも,パッと見てすぐに分かるところです。表だと,ちょっとごちゃごちゃしているけど,グラフはすっきりとまとまっていて見やすいと思います。
グラフのいいところは,今の場合だと,いつ,のぞみ号がひかり号に追いつくのかということなので,グラフだと,1時間単位でも,交わったところを見て,だいたいの時間が.わかっていいと思います。
表のいいところは,グラフだと時間を聞かれたときに,目盛りを数えないとだめだけど,表だとすぐにいくつかが分かる。
グラフは,分かりやすい。ぱっと見て、すぐに「ここで交わるんだなあ」とわかる。かく時も、その数字の所に点を付ければいいだけなので、簡単。
 2つの関係を比べる時は、もう1本の線は黒で、あともう1本の線は赤にすれば、もっと分かりやすい。
 グラフも簡単だけど、表も分かりやすい。グラフは、およその数だけど、表は「888」など明確だから、正しい数字を知りたい時につかうとよい。
 
 2人とも,グラフと表のそれぞれのよさを的確にまとめることができました。

 かつてのJRは,「ダイヤグラム」と呼ばれるグラフで時刻表を作成していました。そのダイヤグラムの緻密さには及びませんが,2つの新幹線の速さを考えることで,グラフを使う便利さを感じてもらった授業でした。
   
連載
 使える授業ベーシック    No.006
【国語】◆単元「賢治の童話をスピーチしよう」
      田島亮一@稲城市立稲城第七小学校
 この単元に入るまで、次のような学習活動を行いました。学習材「イーハートーヴの夢」を読み取ることで、賢治の作家としての考え方を触れました。そして、学習材「やまなし」の世界に迫り、「よだかの星」の朗読テープを読み聞かせ、感想を交流し合いました。「よだかの星」を読み聞かせたのは、童話に込められた賢治の思いに目を向けさせたかったからです。そして、朝の読書タイムを利用して賢治の童話を読み広げたのです。そこで、その読書した賢治の童話をスピーチしようという学習のめあてを持たせたのです。本校では、以前よりスピーチ活動については、全校で次のような流れで取り組んでいます。

1スピーチ 2言葉のキャッチボール 3フリートーク 4言葉のプレゼント 5教師のスピーチ

<この活動でつけられる力>
・構成(起承転結)を工夫してスピーチする力
・スピーチする話材を集材する力(ポスター作り)
・対話活動を通してスピーチの工夫を聞き取る力

<活動の流れ>
第1時…「よだかの星」の朗読テープを読み聞かせ、感想を交流する。
朝読書…賢治の作品を選んで読書をする。
第2時…読書した作品のポスターを書く。
※ポスター
      ※起承転結

第3時…発表原稿を書く。
 ここでは、起承転結の構成を意識させて書かせるようにする。特に、問いかけること、全てを伝えすぎないこと(隠す工夫)など、表現の工夫を指導する。

第4,5時…ポスターを基にスピーチをする。
    ※スピーチ ※二人で言葉のキャッチボール

<言葉のキャッチボールの実際>
C3あらすじの最後に問いかけている部分は、○○さん、どうですか?
C4効果的だと思います。その部分を知りたくなって読みたくなりますね。
  △△さん、どうですか?
C3ぼくも、読みたくなりました。特に、長い本が嫌いなんで、好きになりたいと思うようになりました。○○さん、どうですか?
C4私も長い童話が読めなかったんだけど、賢治の童話を読んで、童話っておもしろいなと思うようになりました。
C3賢治の伝えたかったことは○○さん、どうですか?
C4Sさんは、自然のやさしさを感じているのがすごいと思います。
C3ぼくは、おもしろさと同時に、植物と親しんで植物といっしょになって生きていこうという賢治の思いがわかって、やさしい気持ちになってきました。  
  ○○さん、どうでしたか?
C4私も、そういう気持ちになってきました。「北守将軍と三人兄弟の医者」のセールスポイントをしっかりまとめていて良かったです。
C3賢治の伝えたかったことをしっかりと感じ取っていたのがすごいと思いました。
  Sさんのスピーチでゆっくりで聞きやすかったです。

<言葉のプレゼント>
・「ある」という部分が気になります。本を借りて読んでみたいです。
・承の最後が他の人と違って良かった。
・起の部分を聞いて、読んでみたくなりました。
・スピーチを完璧に暗記している。
・最後に他の本をおすすめしていて良かった。ぼくも植物の医者にびっくりした。
・あらすじとかで、「あること」って言ったので、そのあることが気になるので、読み  たくなりました。

<まとめ>
 本校では、普段からスピーチ活動を全校挙げて取り組んでいます。本学級では、特に構成として起承転結を意識させたスピーチに取り組ませています。さらに、聞き手の関心を高めるような表現の工夫を意識させるようにも指導してきました。その一つとして、「あること」というように伝えすぎない工夫をすることで、聞き手に話題に関心が持たせるようなスピーチができるようになってきました。

 また、言葉のキャッチボールの活動にも見られたように、ポスターにまとめる活動が、スピーチに活かされています。セールスポイント、童話に込められた賢治の思いなど、ポスターにまとめられた話材をスピーチの中に活かすよう指導することで、焦点化されたスピーチができるようになりました。
03【案内】◆第3回 使える授業ベーシックセミナー
 
 使える授業ベーシックセミナー

1 テーマ
  4月の授業開きから徹底したい授業ベーシック!

2 期 日  平成18年3月28日(火)
3 会 場 筑波大学附属小学校

4 主 催  使える授業ベーシック研究会

5 後 援
東京都教育委員会、神奈川県教育委員会、埼玉県教育委員会、
千葉県教育委員会、茨城県教育委員会

6 日 程
8:00 〜 9:00 受付
9:00 〜 9:50 公開授業1(国語・生活)
9:50 〜10:20 公開授業のベーシック提案1
10:40〜11:30 公開授業2(算数・体育)
11:30〜12:00 公開授業のベーシック提案2
12:00〜12:15 全体会・基調提案
13:20〜14:30 セミナー1(14講座)
14:50〜16:00 セミナー2(15講座)


7 公開授業

《公開授業1》
◆国語「説明文バラバラ事件 ―『またとない天敵』―」(6年)
授業者 : 田島 亮一 (東京・稲城市立稲城第七小学校)
ベーシック提案「つなぐ・補う・読みのコツ」
 
◆生活「私が大好き みんなが大好き」(2年)
授業者 : 鷲美 辰美 (筑波大学附属小学校)
ベーシック提案「低学年で育てたい学力」

《公開授業2》
◆体育「班づくりと仲良しゲーム」(5年)
授業者 : 平川 譲(筑波大学附属小学校)
ベーシック提案「学年始めに取りあげたい教材」

◆算数「『問題から問題へ』 ―小数と整数のしくみ―」(5年)
授業者 : 細水 保宏(筑波大学附属小学校)
ベーシック提案「教材研究がよい授業を創る ―確かさと豊かさの追究を―」

8 申し込みなど詳細  → こちら
   
 

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